不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

わからん小説たち

 荻世いをら『東京借景』(河出書房新社。表題を読んだところで、いろいろ見失った。世界とは無関係に、ふわふわした自分の現在地をそのまま描く――といった感じなのだが、どうとらえていいのかようわからん。いいのか悪いのかも。
 次に『ピン・ザ・キャットの優美な叛乱』(河出書房新社を読んだのだが、こちらもやっぱりわからん。どう読んだらいいんだろ、これ。A、Bと記号の人間、猫二匹、「点」のみを描く事で、世界との繋がりや「物語」を拒否、というかそれらへの叛乱――という小説の一つの形なのだろうか。うーーん。

東京借景

東京借景

 宮内悠介『ヨハネスブルグの天使たち』(早川書房。この本に至っては、最近SFがうまく読めないのも相まって、俺の中の「おもしろい」と「わからん」が戦っている。箇条書きというか断片書きというか、とにかく文体があまり合わないのだが、描いているものはいい。わりと甘いけど。ただ、9.11を扱った「ロワーサイドの幽霊たち」は結構よかった。こうやってあの事件を描くのか、と。
ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)

ヨハネスブルグの天使たち (ハヤカワSFシリーズ Jコレクション)