不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

横揺れリズム有機体ミュージック

 Atoms for peaceのライブでした。会場は新木場STUDIO COAST。チケット先行発売で木曜と土曜の二日間取れたので、あれ、トム・ヨークってカリスマではないのかなと思っていたが的外れであって、会場は人でパンパン熱気むんむんであった。ちなみに二日間行くのもなんなので、土曜の分は知人に譲った。
 ANSTAMという前座のあと、ゆるりとメンバー登場。トム・ヨークを半円で囲むようなバンドの配置。さぞかしトムさんとフリーが動くのだろうと予想してその通り、特にトムさんのフリーキーなクネクネダンスは健在である。俺は初めてのトムさん体験なのだが、変な人なのだなとよくわかる。パフォーマンスとかは結構好みかも。
 デジタルな音でありながら、音を肉体的を紡いでグルーブを生む。常に蠢く音の数々に酔いしれる事このうえなし。プログラミング含めての演奏なれど、完全にバンドの音として聞こえてくるから不思議だし、蠢いているのにバシッと決まるのがすごい。バンド全員の演奏はもちろん高レベルなのだが、やっぱりフリーのベースが大きな役割を果たしているのがよくわかる。
 Radioheadはギター寄りの構造になっているけど、こちらはベース寄りで、ベースが安定しているからこそ他の音が安心してそこに乗っかってうねりを生むのだ。ファンキーさを出しながらも安定って、簡単な事ではない。というか、フリーがいたからこそトム・ヨークは別ステージに行けたんじゃないかとも思う。
 曲を畳み掛けずに、一曲ずつ間を開ける構成で、いつもだったら「間が抜ける」と思ってしまうのだが、一曲の濃度が高いものだから、その辺はわりと気にならなかった。むしろ、これで畳み掛けられていたら、聞いていて処理しきれなかったのではと思う。それとも、さらにトリップできたのかな。
 ここまで複雑な音の数と構成にも関わらず、音響が抜群によくて、おかしなノイズが混じる事もバランスが崩れる事もなく、本当に聞きやすかったのには驚いた。LEDを使った照明演出もすばらしく、裏方含めて総合点がめちゃくちゃに高いライブだったと思う。これほどの点数はなかなかない。
 頭と肉体、二つの存在を行き来する音とパフォーマンスで、横揺れがたまらなく気持ちよかった。土曜も行けばよかったかな、と思わず贅沢な事を思ってしまった。

set list
01.Before Your Very Eyes...
02.Default
03.The Clock
04.Ingenue
05.Unless
06.And It Rained All Night
07.Harrowdown Hill
08.Dropped
09.Cymbal Rush


en.01
01.Feeling Pulled Apart by Horses
02.Reverse Running
03.Rabbit in Your Headlights
04.Paperbag Writer
05.Amok


en.02
01.Atoms for Peace
02.Black Swan