関川夏央『昭和三十年代演習』(岩波書店)。思想や記憶ではなく、その時の文学や映画を通して、昭和三十年代という一時代を見る、講義録のような形式になっており、話し言葉のですます調もあってか、えらく読みやすかったし、わかりやすかった。ただ、そのぶんちょいと物足りなかったかな。著者ならではのダイナミズムが薄い。三島由紀夫と松本清張の比較が興味深かった。
中で「『ALWAYS 三丁目の夕日』には小さなウソが含まれていて、観客(あの時代を生きた人たち)はみなそれを承知の上で見ていた」と著者は言うが、いや、ウソと思わずに「あの時代はよかった」と美化している人は結構いると思うなぁ。
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