不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

俺と下北沢

 駅が地下化した下北沢へ初めて行った。ホームが予想以上に深いところにあって、エスカレーターの長さと駅の複雑化(途中段階だろうけど)に驚きながら地上に出た。まだ地上の駅と線路の跡はしっかりあるので、駅前の違和感はそれほどなかった。というよりも、俺が住んでいた10数年間で街の風景はずいぶん様変わりしていったのだから、いまさら変化をどうのと言うのは何か違う気がする。
 常連だった定食屋はなくなったし、喫茶店もない。チクテカフェもこの間、店を閉じた。後に三省堂ができたが、俺が通っていた本屋三軒のうち二軒は潰れ、幻遊社も閉じられた。あのレコファンでさえ消えた。そして今日は「千草」が閉店していた事を知った。いまオーゼキがあるところに第一勧銀があったのを覚えている。とても小さな餃子屋があって、よく行っていた。いつの間にやらテナントビルやチェーンの店がずいぶん増えた。
 あの開かずの踏切がなくなった事はよかったのだろう。狭く入り組んでいるのが下北沢の特徴ではあるものの、非常事態の時に救急車や消防車が入れないと言われれば、反論できない。それでも、車が入ってこれない(入りにくい)街があってもいいのになと思うのは我がままかな。
 俺はいまでもこの街が好きだし、狭くて災害も多い日本の街が変わっていくのは当然だろう。こうやって変化を繰り返していきながら、我々は街と呼ばれる場所で生きていくしかないのだ。
 だけど、少しばかりセンチメンタルな気持ちになるのも、許していただきたい。