不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

西瓜はありませんか?

 シティボーイズミックス PRESENTS「西瓜割の棒、あなたたちの春に、桜の下ではじめる準備を」観劇。村上春樹の新作みたいなタイトルだが、たぶん発表はこちらの方が早いはず。出演はシティボーイズ大竹まこと、きたろう、斉木しげる)、中村有志いとうせいこう戌井昭人笠木泉。作・演出は宮沢章夫
 4年ぶりのシティボーイズの舞台。別段、離れようと思っていたわけではなく、何となく。今作も気付いたらチケットが発売されており、チケットサイトでチェックしたらまだA席が残っていたのだ。作・演出が宮沢章夫となれば、ラジカル・ガジベリビンバ・システム再び、逃す手はあるまいて。
 期せずして初日で(マチネがあったので回数だと二回目)、硬さがあったし、探り探りやっているのがわかったけど、ギアの入れ方や加速・ブレーキの踏み込みを計っているのが、また一つのおもしろさだったりする。内容はといえば、これまで以上に不条理、シュールの極みを行っており、それを2013年現在の日本で描いているのが興味深かった。いつも社会風刺はあるものの、こういった挟み方描き方は珍しく、いささか異色の出来だと思う。それは一面ノイズにも見えたけれど、ギリギリ効果的なボリュームとタイミングだったので、わりとおもしろく見られた。震災後の宮沢章夫の言説は疑問が多かったが、こうして作品(ユーモア)に昇華されていると、素直に受け止められて、いいなと思う。
 還暦過ぎたジイさんたちが、時にたんたんと、時に全力で演じ、笑いを生み出している。今回は特に中村有志ががんばっていた。
 やっぱりおもしろかった。また毎年行くようにしよう。