不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

中村屋

 朝、姉からのメールで中村勘三郎が亡くなった事を知る。そんな嘘を言うわけがなかったが、どこか信じられないままネットやニュースで本当に死んだ事を確認し、それでもなお悪い夢を見続けている気分だった。だって、そんなバカな事あるかよ。57歳なんて、まだまだこれからじゃないか……なんだよ……なんなんだよ。新しい歌舞伎座勘三郎の姿がないなんて、想像できるかい? 確かに時代を駆け抜けていったけれど、死んではいけないというか、まだまだ生きるべき人だろ。
 夕刻のニュースで、襲名披露公演をしている中村勘九郎七之助二人の姿を見た。泣きそうになった。涙をこらえた公演のあとには、笑顔で会見をしていた。彼らに血と魂が受け継がれているんだなと思った。
 いつだって哀しい出来事は唐突に、理不尽に、平等に起こる。いまを噛み締めながら生きるしかない。
 それにしても、勘九郎の言葉を借りれば、ちょっとばかり「せっかちすぎるでしょ」勘三郎さんッ。