不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

休日派特撮日記

 昨日の日記、かなりあやふやな頭で書いたようである。あれを書いたのは、午後に軽く寝て、夜起きてから。書いて、またすぐに寝て、暑くて何度か起きながらも朝の9時まで爆睡だった。計算すると16時間くらいか。当然ながら寝すぎだ。
 野暮用をすませてから東西線に乗って木場駅で降り、バスで東京都現代美術館へ。7月10日から始まった「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」*1を見に来たのだ。家人がたいそうエヴァ好きなのだが俺はそうでもなく、しかし庵野監督のセンスや特撮は好きなので、はせ参じた。
 入るなり東京タワーのミニチュアがお出迎え。そこから広がっている特撮・ミニチュア世界に、自分でも意外なほどテンションが上がっていく。知ってる知ってるというものから、こんなのあったのかまで、一つ一つがおもしろく、すばらしく、また細かい説明がいい。館長のコメントもたくさん散らばっていて読みでたっぷり。ウルトラマンのコーナーは特にテンションアップ。ウルトラマンのフォルムは芸術だよなー。成田亨、天才。掲載されていた文章がまた名文であった。
 ほくほくしながら中盤まで行くと、短編映画が上映されている。企画:庵野秀明、監督:樋口真嗣巨神兵宮崎駿の「巨神兵東京に現わる」。もちろん特撮オンリーの映画で、これがまたすばらしい(すばらしいしか言ってないな)。制作サイドがメチャクチャ楽しんでいるのがよくわかるくせに、内容がものすごく暗いというのがたまらない。このまま2時間の映画にしてくれないだろうか(上映時間9分)。上映後、次のコーナーで制作裏側のドキュメンタリーがあって、これもおもしろかった。大の大人が、真剣に、本気で、しかし楽しみながら作っている。彼らは職人だ。職人でありながら突き詰めていって芸術になっている。先日読んだ大野左紀子『アーティスト症候群』の一章を思い出した。
 たっぷり堪能して、ショップでいくつか品物を買い込んで会場離脱。10月までやっているそうなので、もう一回来ようかなと思うほど、おもしろい展示だった。ついでに常設展も見たが、奈良美智などがあったけどあんまりピンと来ず。特撮を楽しみすぎたせいかもしれん。あ、仮面ライダーなど石ノ森章太郎系の作品はなかった。『サイボーグ009』で忙しいからだろうか。
 このあと映画を見に行くつもりだったが、情報量がパンクしそうだったのでやめておく。本屋に寄ってから地元の居酒屋で早めのメシをとり、帰宅。ライムソーダを飲みながら買ってきた『CUT』の庵野インタビューを読むが、これはちょっとアレだな、おもしろいんだけどひどい。インタビュアー「○○と思うんですが、どうですか」庵野「違います。××です」「なるほど、つまり△△ですね」「違います、伝わらないなぁ」と延々やっている。明らかに編集サイドの「庵野秀明の原点を探る」という意図と、庵野の考えが微妙な言葉の使い方などからすれ違ってしまっているのだ。途中で軌道修正しちゃえよかったのに。あと、インタビュアーはあんまり特撮について知らないんじゃないかなぁ。固有名詞がほとんど出てきていなかった。樋口、鈴木敏夫のインタビューはまあまあおもしろかった。
 入浴、読書、就寝。