不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

予告が一番おもしろい

 ジェームズ・ボンドインディ・ジョーンズハン・ソロの方が燃えるかな)がタッグを組んでエイリアンと対決という構図と秀逸な予告編から結構期待していたのだが、結果はイマイチ燃えが悪かった。
 カウボーイ&エイリアンを見た。監督、ジョン・ファヴロー。出演、ダニエル・クレイグハリソン・フォードオリヴィア・ワイルドサム・ロックウェル

 と、感想を書き出したはいいけど、書く事があまりない。豪華な食材を使ったわりに、出てきた料理があんまりうまくないのだ。見たいと思っていたものは全部あるんだけど、予告で使われたカット以上のものがなく、何でこの素材でこの味なんだろうと不思議にすら思う。
 『アイアンマン』シリーズの場合はガジェット満載なのでそこでグイグイ引っ張られるけれど、今回はそういった要素は少なめで、むしろきちんと構築しなければ機能しない要素ばかり。しかしファブロー監督、残念ながら脚本や設定をだらりと流すだけで立体的になっていない。もう少し行間を開けるなり埋めるなりしてくんないと、見ている方も困ってしまうなぁ。あまりに雑過ぎるよ。
 ハリソン・フォードが悪党として登場した時は、貫禄がたっぷりあって「いいね」と思ったものの、別にそのあと残虐非道の限りを尽くすわけでもなく、悪党・婆娑羅的に場をかき回すわけでもなく、だからといって英雄的行動をするわけでもなく、たいへん中途半端な立ち位置だったのが残念。ちょっと気が抜けた演技にも見えたし。サム・ロックウェルは相変わらずナイスなポジション。ダニエル・クレイグは普通。
 あとエイリアンの姿もはっきり見せるなら見せてくれ。見せてくれても造形的につまんないんだけど。もっと違った感じにできないもんかね。『世界侵略』のエイリアンと変わっても違和感ないぞ。あともう少しちゃんと侵略しろ。ウルトラマンの星人達の方が数倍頭いいわい。
 せっかく西部劇を下地にしているのだから、荒唐無稽でもいいからエイリアンとの睨み合いや一騎打ちがあってもよかったのに。というかそれを期待していたのだが。こうなれば、侍が血みどろになりながら刀一本でグチョグチョのエイリアンの中に切り込んでいく『サムライ&エイリアン』(いやvsの方がいいな)を三池崇史が撮ってくれれば、消化不良もスッキリできるのだが。いや、侍じゃなくてもいいや。時代は平安時代で、戦うのは検非違使。そう、日本にあるじゃないか『平安京エイリアン』という名作が。
 といったところで下の感想へ。