不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ススキノディック


 探偵はBARにいる』(監督/橋本一、原作/東直己、出演/大泉洋松田龍平小雪西田敏行。ネット界隈の評判に違わず、上質な国産ハードボイルド。渋くまとめていて、突き抜けるものはないが悪くない。むしろいい。俳優の配置は適材適所だったし、ギャグも滑らずに笑える。大泉洋は最初は固かったが中盤から俄然興に乗って演じ、その大泉と松田龍平のコンビネーションが薄めだったのが残念だが、そちらはすでに制作が決定されている次作以降に期待したい。予想外だったのが小雪で、失礼ながら初めて演技をして、よく見えた。あの大立ち回りの身体のキレのなさはご愛敬か。
 何度も書いているように、「探し求め、辿りついた時には探していたものは変わっていた」というハードボイルドの原点に忠実に従っていて(そもそも原作が古典的ハードボイルドなのだが)、様々な探偵もののオマージュも多数。目指しているのは「濱マイク」と『探偵物語』だろうが、きちんと育てていけばそこまで辿りつくかもしれない。日本映画界、やりゃーできるじゃないか。