不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

グレッチ、ツイスト、ロカビリー

 BRIAN SETZER'S ROCKABILLY RIOT featuring A SPECIAL SET WITH SLIM JIM PHANTOMへ行った。
 ネーミングライツ契約が終わって名前が渋谷公会堂に戻り、外観から特大のレモンがなくなり随分と殺風景になったホールにビシッとオールバックで決めた方々が集まってくる。着ているものは細身のスーツにハンカチーフか、革ジャンかで別れているが、気合いの入り方はばっちりで開演前から場内は熱い。
 Ramonesなどが流れたあと電気が消え、二人のメンバーに続いて現れた男は、安心のオールバックで軽快に玄をはじきながらグレッチを抱えていた。そのままスリーピースでライブスタート。序盤はドラムが走ろうとするのだが残りの二人が乗らず、いささかもったりした感があり、ちょっと残念。前半から飛ばすと疲れるから、ペース配分しただけかもしれんが。
 メンバー二人がステージを一旦離れ、セッツァーがStray Cats時代から使っているというギターに交換したところに登場したのはStray Catsのドラマー、スリム・ジム・ファントム。名前にスリムがつくだけあって、細いこと細いこと。その細い体全身でスタンディング・ドラムを叩きまくる。テクニックだけで言えば、もう一人の方がうまい気がするが、なんせセッツァーとのグルーブの作り方がうまい。
 この辺から全体の演奏は俄然よくなってきて、聞いているこちらも自然と身体が動く。開演前のアナウンスで「ライターなどをつけないでください」とわざわざ言っていたので、しっとりしたバラード曲でもやるのかと思っていたがそんな曲は一つもなく、前へ前へのアップテンポばかりでご機嫌にさせてくれる。終盤ではウッドベース同士の演奏バトルで盛り上がっているところに、セッツァーも参戦。ほうできんのかよと思っていたら、全然できないもんで大笑い。それをちゃめっけたっぷりにやるもんだから、にくめない。
 聞いていると、その後の方向や音楽性は違うがBLANKEY JET CITYの元ネタはブライアン・セッツァーなんだなと思った。雰囲気や格好、それからギターのイントロなどからね。浅井、照井は「スキャッツ」というバンドを組んでいたし。
 アンコールを含めて全部で100分くらいと短めではあったが、曲が少ないとは思わなかったし、大いに盛り上がり楽しめた。懐メロの雰囲気になるのかと思っていたが、まだまだ若い者には負けんのだよと右へ左へ暴れまわり、上がらないキックを繰り出し、髪をかきあげ、ギターを弾いて、ツイスト。
 ちなみにエンディングSEは“C'mon Everybody”だった。