不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

野坂昭如との対談は普通

 中島らも『さかだち日記』(講談社文庫)を読んだ。先日の外市で見つけてすかさず購入。日記好きなのに中島らもの日記というのは頭になかった。思えば久々のらもさんの文章ではなかろうか、何年ぶりだろう。
 日記なのでぼつぼつと読み進めていたのだが、その言語感覚がすごくてちょっと動揺してしまった。らもさんがすごいのは知っていたはずだが、何年ぶりかのらも文体に中てられたのかもしれない。日記という特別ではない形式だからこそ余計に強烈に思えた。たとえば早くに亡くなった人に対しての《この世には向いていない人だった、と思う》という何気ない言葉を、さりげなくズバリと書いている個所などにシビれてしまった。
 らもさんの日々を読んでみると、まぁ遅かれ早かれああやった亡くなったんだろうなと合点がいく。ハチャメチャだよ。でも、仕事や人に対しては誠実だから好きだな。
 本当に普通の日記なのに、すごいもん読んだなという気分になった。

さかだち日記 (講談社文庫)

さかだち日記 (講談社文庫)