不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

バンコック・デンジャラス

 見るなら当然、無修正18禁バージョンだろうと六本木まで足を延ばしての鑑賞であるが、しかし何でまたここだけで18禁バージョンなのだろうかと疑問である。
 ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越えるを見た。監督・脚本、トッド・フィリップス。出演、ブラッドリー・クーパーエド・ヘルムズ、ザック・ガリフィナキース、ケン・チョン、ジェフリー・タンバー、ジャスティン・バーサポール・ジアマッティ

 飲んで、記憶を失って、また暴走しまくったらしくやべー状態になっちゃって、てんやわんやと大騒ぎの上に大団円というのはテンプレートままだし、前作を見ていなければ意味がわからないネタが多く新鮮味に欠けたのは仕方ないといえば仕方ないか。
 のっけから出し惜しみなしで小学生かよと思うような笑いの取り方に、いささか閉口しつつも、モラルって何ですか、エスプリの効いたジョークって何ですかと爆走する映画は、大ヒット映画の続編なのに一切守りに入らず男3人(+α)のドタバタ珍道中バカ絵巻に徹し、ようやるわとその気合いにちょっとだけ胸熱くなるものがあった。
 小ネタは多いが、笑いをアラン(ザック・ガリフィアナキース)に集め過ぎていたのが少し勿体ない。あれだけ強烈だと他のキャラを立たせるのが大変なのはわかるが、もう少し暴れさせてもよかったと思う。前作もそうだったがハチャメチャコメディというよりは、無理やりでも整合性は取れているし、ドラマも作り上げるので生真面目なコメディなんだよな。
 「記憶のない一夜に何をしたか」という一種の謎解き要素も、今回は弱い。一度経験があるだけに「ああ、またやっちゃった」程度で、過去の新事実が新たなトラブルになるようなこともなかったし。僧侶のおじいちゃんはもうちょっと使えたんじゃない? あまりにやると抗議が来るからやめたのかしらん。あと、ちょっとシャレにならんジョーク(か?)もあった。
 と、まぁ終盤まではテンポはいいがキメが弱いなぁと思っていたが、まさかあんな韻の踏み方を大オチに持ってくるとは思わなかったし、さらにあの男を再登場させた上に、記憶のない一夜の顛末を映した一連の写真群をエンドロールで流して強引に伏線を回収しちゃって、この畳みかけにはまいってしまった。
 不満は書いたが、概ね楽しい映画だった。が、今作も野郎だけでキャッキャとする作品なので、女性の方々がこれをどう見るんだろうとちょっと気になる。あと、俺だったらアランをぶん殴って絶縁しちゃいそう。心狭いでしょうかね。