不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

結局「猪木劇場」という事です

 IGFプロレスリング「GENOME15」の観戦へ行った。おそらく10年ぶりくらいのプロレス観戦がIGFになるとは思わなかった。今回はチケットをいただいたので。印象に残った事をつらつら書きます。*1
 まず初代タイガーマスクウルティモ・ドラゴンvsザ・グレート・サスケ、マスクド・ゲノムJr。ゲノムがライガーだったら15年前のカードかよと思ってしまう。ドラゴン、サスケはイマイチな動きだったが、恐怖の甘味王ことタイガーマスク佐山聡)は、相変わらずの体形のくせに、重心が上にあるというか浮力があるというか、軽やかで動きのキレもあるから凄い。あと、ゲノムも意外とよかった。
 デビュー40周年特別試合、藤波辰爾vsビッグバン・ベイダー。ベイダー、懐かしの鎧とマスクで登場。藤波と握手したり、がんばれ的なマイクをしたり、いい人だなッ! 試合は藤波は意外と動けるんだけど、ベイダーがよれよれで、でも重いから動かしようもなくて、微妙な内容。ま、10分1本勝負でエキシビジョンみたいなものだから、いっか。
 藤原喜明、稔vs大谷晋二郎橋本大地。大地の爆勝宣言はずるいよなー。試合は大地の教育的内容で、藤原組長がいぶし銀のテクニックを魅せつける。あと、稔はいいレスラーになったもんだ。大地は、当たり前だがまだまだですね。背負ってるものが大きすぎるのが気になるけど、うまいこと咲いてほしい。
 この辺の試合を見ていると、プロレスというのはレスラーの人生と、観客の思い出がもろに影響するものなんだなぁとしみじみ思った。選手が長年活動できるからこその見方だろう。こういう見方ができるのは、あとは野球くらいじゃないかな。サッカーではカズがそんな感じになってる。
 休憩をはさんで、ある意味でメインイベントのアントニオ猪木登場。小芝居やら小ネタをはさみつつ、失笑苦笑もなんのそのの猪木節全開。
津波は去ったけど藤波はいる。藤波出てこいッ!」
「村はなくなったけど、木村はいるぜ。(木村)健吾出てこいッ!」
原発というモンスターを押さえつけるには、超能力が必要。蝶野うりょく……蝶野(正洋)出てこい!」
 不謹慎ってなにそれ、おいしいの? と言わんばかりに真顔でこれを言う猪木は凄いと思う。さらに呼び出した三人におもむろにぺろぺろキャンディを渡して、客席から「キャンディーズ!」という声に、「よくぞ気づいてくれた!」と嬉しそうに応えたと思ったら、キャンディとりあげて三人を下げやがった。「こいつらは歌がうまいので」とふっておいて何もなしかよ!
 と思ったら、自分の引退時に使った詩「道」を歌にしたので、とトランペットの伴奏つきで歌いだした。なんなの、これッ! しかも無駄に歌がうまいッ! あとは恒例「ダーッ!」で〆。すごいな、ほんとに……。
 ボブ・サップvs角谷正義。ボブ・サップ、再生なるかと思いきや、またも涙目で心折れてTKO。オマエ、もうやめたら?
 メインイベントは鈴川真一vsジェロム・レ・バンナ。よくこんなカード組めたなと思いきや、ルールでもめたそうだ。プロレスルールか、K-1ルールか。もっと早くから話つめておけよ。結局、異種格闘技戦ルールになったが、ラウンド制じゃない45分1本勝負の格闘技の試合なんてあるか? ロープブレイクはあるし、3ノックダウンじゃないから立ち上がるたびにやらないといかんし。危ないよ。結果はバンナの完勝。しかし鈴川は粘りと強いハートを見せた。どちらにとってもやりにくいなか、メインとしてそれなりの試合をしたと思う。天晴れです。バンナは次はジョシュ・バーネットを指名しているとか。そ、それは普通に見たいカードだ。
 試合後、再び猪木がリングへ。試合にはあんまり触れず、「一寸先は闇、一寸先はハプニング。人生想定外。想定外だから何も出来できないという世の中で、知恵を絞って、体を鍛えて、対応できるようにしていきたい。日本を元気にするよう頑張っていきますんで」と、うまいことまとめて、もう一度「1、2、3、ダァーッ!」で終了。結局、猪木が「ダーッ」をやれば大団円になるんだな。
 というわけで、猪木劇場を堪能したのでした。たのしかったぜ。