不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

己へ向けて

「知性においては悲観主義者、意思においては楽観主義者たれ」というグラムシの言葉(サイードも好んだ表現)がありますが、短絡的な浮き沈みからどう距離をとれるかというのはむずかしくも大切ですね。自戒を込めつつ。*1

 id:SugarCheap(@_bside)さんの言葉。心に留めておきたい。もうひとつ。

あのアウシュヴィッツでも「他人を思いやる人間の心を忘れなかった者」「美しいものへの感性を忘れなかった者」が多く生き延びたのだという。とにかく、難しいことだけど、できるかぎり「正しく恐れる」こと。まだまだ先は長いんだから、心がすり減らない程度に。
メトロガール「正しく恐れる」

 もともと心が弱めの俺。情けない。それはそれで対応の仕方はわかっているのだが、今回の地震はなんせ仕事が絡んで否応にも心をすり減らさざるを得なかった。心がすり減り、折れていく音を聞きながら、なんとか乗り切れたのは、親しい人たちとの会話やメールのおかげだった。そしてそこから回復できたのは音楽や映画、本などといった「美しいもの」があったからだ。
 たぶん3月11日以前の日常が戻る事は、ない。でも、新しい日常を作る事はできるはず。溺れかけているところから這い出てきた。体勢を立て直し、覚悟を決めて、前に進もう。悲観もせず、楽観もせず、正しく恐れながら、しかし希望を持って。