不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

世界の終わり

 アベフトシが死んだ。43歳の若さだった。
http://www.ro69.jp/news/detail.html?23021
 三沢光晴の死という超衝撃を先に受けていたので、アベの急逝は何とか受け止められたが、それでもこうやってキーを打ちながら心ここにあらず状態だ。
 結局、アベはミッシェル・ガン・エレファント解散後、本格的な音楽活動はしなかった。いくつかのプロジェクトを渡り歩き、昨年末の吉川晃司のライブで数曲弾いたのが最後だった。ミッシェルを愛していた俺は、アベはチバユウスケの横でギターを弾いていて欲しかった。だから、あまり活動をしない事に、正直ほっとしていた。しかし、無責任なファンらしく、新天地でギターを鳴らすアベの姿を見たいとも思っていた。
 解散後の発言はほとんど知らないが、他のメンバーが間をおかずに音楽活動を再開した事に比べ、アベが何もしなかったのは、きっと鳴らすべき音がなかったからだと勝手に思っている。その姿は、かつて《あいつ(チバ)の横でずっとギターを弾いていたいと思う》というファンを胸キュンさせた発言通りにも見えて、勝手に納得していた。
 そして、そのまま逝ってしまったのだ。そんな有言実行のしかたはないだろうよ。ミック・グリーンやウィルコ・ジョンソンがまだ生きているというのに。アンタがガキの時になりたかったクリント・イーストウッドだって、バリバリ働いてんだぞ。
 4人でthee michelle gun elephantだ。それは間違いない。だが、「ミッシェルの音」は紛れもなくアベのギターだったと思う。俺はドラムはやってみたいと思った事はあるが、ギターをやってみたいと思った事はない。だってアベがいるなら、俺の求めている音はもうそこで鳴っているからだ。
 ミッシェルはかっこよかった。音だけではなく、ライブも、スタイルも、行動も、発言も、デビューから解散まで全てがかっこよかった。中でもチバとアベのかっこよさは神がかっていた。アベの「鬼」と評される迫力、インタビュー中の無言、時折見せる笑顔、どれも魅力的で交じりっ気のないかっこよさがそこにあった。
 憧れていた。本当に。
 俺にとって世界一かっこいいバンドはミッシェルで、世界一かっこいいギタリストはアベフトシで、世界一かっこいいギターの音はアベの鳴らす六弦だった。
 それがもう聴けない。そんなおかしな話があっていいのかよ。だらだら書いたけど、何一つ理解できない。したくない。受け止められるわけがなかった。バカか俺は。納得なんかできるわけがない。チクショウ。涙も出ない。何なんだよ。ギター弾けよ。弾いてくれよ。