台所からテレビは見えないし、ラジオもほとんど聞こえない。そこで、料理中にiPODで音楽を聴いてみた。スピーカーなんてものはないのでイヤホンで。やってみてわかったが、料理は音がないと不便だ。今日はパスタを作ったのだが、フライパンで炒め物をする時、具材を入れて「ジュー」と聞こえないとうまくいっているのかどうか不安になる。鍋で水を沸騰させるのも、他の作業をしながらで、音でいまどれくらいの状態かと判断している。不便であると同時に、音がないと料理はつまらない。日常生活を過ごしていく中では、ささいな音というのが手掛かりになる時が多い。料理もそうだったんだなぁと、いまさら気づいた。
作ったのはツナマヨパスタ。ほとんど和えるだけでできあがる簡単なもので、久方振りに作った。ずいぶん前、母と姉と俺の3人前を作るはずが、俺は何をどう間違ったのか麺を6人分茹でてしまった。通常の3倍のスピードで継ぎ足しソースを作った姉と、笑っている母親を、喰いながら思い出した。
