『橋本治と内田樹』読了。時事ネタから人生の機微まで縦横無尽に語りまくる、のではない。対談というより、内田樹による橋本治インタビューで、『内田樹による橋本治』という言い方が合っていると思う。「橋本治」に興味のない人が読んだら、つまらないかもしれない。だけど、橋本治というわけのわからん思考回路の持ち主が、自分がいかにわけがわからんかを説明しており、それがすごくおもしろい。内田樹も変わっていると思ったが、橋本治のわけわからなさに比べればカワイイものだ。批評家が彼を無視するのも、無理はなかろう。
ところどころでズバッと何かの核心ついてくる箇所があるが、これを通して読んだ後に残るものは、あまりない。だけど、橋本治の思考回路をなぞる事で、自分の思考回路をなぞり、そのなぞるのが、妙な快楽になっている気がする。読み終わって、「何がなんだかよくわからんが、楽しかった」と思った。
橋本 (略)読んでる時点で生きている作家で好きだったのは、筒井康隆と山田風太郎と山崎豊子と有吉佐和子というわけのわかんない取り合わせ。
内田 わけのわかんない取り合わせですね。何か共通点あります?
橋本 共通点を言うと、きっと「嘘だ」というような共通点ですね。物語性が強いとか。理想としては、山崎豊子が書くような題材を山田風太郎のような視点で筒井康隆のように書く(笑)。
内田 あははは!

- 作者: 橋本治,内田樹
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2008/11/27
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