俺の永遠のアイドルである闘魂三銃士の一人、武藤敬司がIWGP戴冠。こりゃチェックしなければ、しかし放送は見逃すので、ネット某所で、武藤敬司vs中邑真輔だ。
武藤の膝は悪そうだし、シャイニング・ウィザードを連発するし、やっぱり時間は経っているんだなと思ったけど、経ったぶん小さな引出しをたくさん持っていてさすがだった。引出しを持っているだけじゃなくて、どこで使うかを心得ているのが天才たる所以。昔は退屈に思えた足攻めがこれほどおもしろいとは。低空ドロップキックにこんなにバリエーションがあったのか。タックルに来たら低空をアゴにヒット、は凄いぞ。
一方、中邑くん。まぁ悪くはないんだよな、毎度。でも、これが上がり調子の若手だったら有望だけど、チャンピオンだもんなぁ。腕ひしぎが必殺技なら、もっとテクニックつけなきゃ。見るのを忘れていたけど、カート・アングルに本当に勝ったんか？
武藤敬司は、リック・フレアーが引退した今、全世界マットで最も“深い”存在である。彼と戦ったレスラーは、飲み込まれてしまう。若手は足掻き、中堅は自分の作りかけの世界で、ベテランは熟した世界で対抗する。
だけど、中邑には見えないのだ（棚橋にはかろうじて見える）。「プロレスが一番すげーんだ」って言うけど、んなこたー知ってるよ。つうか、プロレスやってんのに、そのセリフは意味ないだろ。
試合は終始、武藤の深さに飲まれっぱなし。そして、新日本も飲まれてる。確かにすげーよ、武藤は。だけど、いつまでおんぶに抱っこだ。ライバル会社の社長を頼ってどうする。下り坂に行き始めのレスラーに頼ってどうする。試合後に“HOLD OUT”を流している場合じゃないんじゃないの？
「プロレス界にうねりを」という武藤の気迫はよくわかった。多分、本当にうねりが起きるだろう。しかし、今の新日本にそのうねりを受け止めて、自分のものにできるのか、不安だなぁ。
それとは別に、牛飯タッグこと飯塚・天山ですよ。前にも書いた通り展開が早すぎるけど、冷静に考えると久し振りにこの先が気になる事件ではある。友情から憎しみへと変化したものの、生々しい人間感情の物語。明日一騎討ち、とこれまた早い展開なのが気になるが、果たしてどういう結末が待っているのか!? いいぞ、飯塚。ヒールターンしても何も話さない無骨さが好きだ！
