ジャン=ドミニック・ボービー『潜水服は蝶の夢を見る』読了。映画を見て原作が読みたくなった。
皮肉やユーモアがたっぷりつまっており、自分に襲い掛かった現実、夢や、愛や、幻想を、感傷に溺れずに書ききっている。正直、本当にこれを瞬きしかできない男が書いたのか、疑ってしまうほど軽やかな文体だ。悲壮感や絶望がどこにもない。しかし、無いからこそ切なさが浮かび上がってくる。
もう少し文章をブラッシュアップしているといいのに、と思ったが、そうか、ブラッシュアップなんかできないんだよな。“書く”事ができても、読んで推敲するのは無理だったんだ。
映画のすばらしさも再確認。
- 作者: ジャン=ドミニックボービー,河野万里子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/03/05
- メディア: 単行本
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