不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

「わからない」という叫び

 黒沢清監督『叫』を見に行く。
 黒沢作品は何本か見ているけど、いつも同じ気持ちになる。それは「わからない」という感覚だ。謎がわからないのか、映画で何を描こうとしているのかわからないのか、それすらわからない。「この映画が何なのか」が「わからない」というレベルでわからないのだ。突き放された、とも言えるがこれは甘えだろうか。
 『叫』でも同じ感想だった。何なんだこの映画は。今までの黒沢清作品に比べ、解り易いし、ミステリー要素も魅力的だった。途中のホラー要素が正直笑ってしまうようなものだったが。廃墟、埋め立て地、地震、海水といったキーワード達。陰影のはっきりした演出、どこか淋しい光の使い方。どれもすばらしいのだが、俺の心には何も響いてこない。誤解して欲しくないが、謎が解明できなかった(されなかった)からでも、理路整然と説明されていないからでもない。
 少ししか出ないが船乗りの青年役の加瀬亮が良かった。余談だが、ソフトバンク市川実和子との新CMが二人ともかわいらしくていい。この二人主演でドラマ作ってくれないだろうか。でも、このCM、要約すると電話でプロポーズされた女(市川)が「そんなこと、電話で言うか」とすねたらインターホンが鳴って男(加瀬)が玄関まで来ていたというもの。つまり、「電話では伝わらない(伝えられない)事がある」という事で、携帯電話のCMとして機能しているのだろうか。
 余談が長くなった。
 軽い混乱に陥っている俺に「全てを無しにしたかった」という容疑者の言葉が聞こえてきた。このまま「わからない」という気持ちで帰るのは嫌だ。その後、俺が取った行動は……。