荒川洋治『文芸時評という感想』読了。半年前に買った時は入り込めなかったのだが、先日、再び読み始めたら面白くて入り込んでしまった。読書にもタイミングがある、という事を再確認。
小説とその周りの文章を丹念に読み込んで、真摯に見つめている。とても“平ら”な視線だった。その見方や斬り方だけでなく言葉の使い方も、こういう表現の仕方もあるのか、と感心し勉強にもなった。
- 作者: 荒川洋治
- 出版社/メーカー: 四月社
- 発売日: 2005/12
- メディア: 単行本
- 購入: 3人 クリック: 30回
- この商品を含むブログ (58件) を見る
何故、読み飛ばしたのかというと、ネコビルでのインタビューも読書日記も、取りあげている本の魅力が全く読めない。どうも立花隆は「読書」=「情報の入力」と考えているのではなかろうか。「情報」の良し悪しは伝わるけど、「面白さ」が伝わらないのだ。そういえば、確か谷沢永一だと思ったが、『ぼくはこんな本を読んできた』について、悪書であり「『本をこう読んではいけない』という題にすればよかった」と書いていた。俺は先日読んだ山村修(〈狐〉)の読み方の方が好きだ。
立花隆は合わないのかなぁと思ったが、思い出せば読んだのは『ぼくはこんな本を読んできた』と『解題「地獄の黙示録」』の2冊だけで、言わば余技の本。この人の本質はまだ読んでいないので、少なくとも『田中角栄研究』と『日本共産党の研究』くらいは読んでから判断しよう。
ぼくの血となり肉となった五〇〇冊 そして血にも肉にもならなかった一〇〇冊
- 作者: 立花隆
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/01
- メディア: 単行本
- 購入: 18人 クリック: 1,261回
- この商品を含むブログ (42件) を見る