不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

キレ味良し

 日垣隆『個人的な愛国心読了。
 タイトルから「愛国心」や「ナショナリズム」について書かれたものだと想像していたが、日刊ゲンダイ、『ベルダ』、北海道新聞などに掲載された社会時評コラムを加筆・訂正したものだった。ちょっと拍子抜けしてしまった。勝手に思い込んじゃったわけだし、後書きを読めば何でこういうタイトルにしたのかわかるが。最近読んだ時事コラム集の中では一番面白かった。
 帯にも載っている「あとがき」の文章は同感だ。「愛国心を持っているか?」と聞かれると答えを言い淀むが、「日本は好きか?」と問われれば「好きだ」と答える。興味も持っている。スポーツなどで日本が勝てば喜ぶし、世界で評価される日本人がいれば誇らしい気持ちにもなる。それを「愛国心」というのならば、持っているのかもしれない。だけど、絶対にどっぷりと浸かりたくはない。教育基本法で「愛国心」についての項目があったけど、教えるものなのだろうか。俺は教えられた覚えはないが。難しいね。
 印象に残っている一文がある。
《孤独について、日本人は無防備すぎる》
 確か就任当時だと思ったが、小泉が記者から「休暇中は誰と過ごしますか?」と聞かれてこう答えていた。
「一人で過ごします。人には孤独になる時間が必要です」
 この答えを聞いた時は、そういう感覚を持っている小泉に期待したものだ。結果は……まぁ時事コラムを読んでください。*1
 こういった時事コラムを読むと、大変な国だなぁと思うけど、大体、国ってもんは大変なもんだ。《まだまだ日本は捨てたものではない、という思いで書きました》と日垣隆はこの本についてメルマガで書いていた。ちょっとそういう気になった。

個人的な愛国心 (角川oneテーマ21)

個人的な愛国心 (角川oneテーマ21)

*1:難しいんで逃げました。