教育テレビの「サミュエル・ベケット特集」を見る。
ベケット生誕100年という事で、本屋でも小説3部作(『モロイ』『マロウンは死ぬ』『名付けえぬもの』)などベケット関連の本が出ている。パラパラとめくると面白そうなのだが、一冊3000円もするので、またの機会に。俺が持っているベケット関連の本は戯曲『ゴドーを待ちながら』と『ベケット大全』。講義のために買ったのだが、面白いので未だに持っている。前から『なぜベケットか?』(イノック・ブレイター著・安達まみ訳・白水社)が読みたいのだが、どうも絶版らしい。古本屋で探すしかないのだが、生誕100年という事で、復刊してくれないだろうか、白水社。
戯曲の後書きによると、『ゴドー』のアメリカでの初演は散々で、幕間の後まで残っていたのは、出演者の家族数人以外に二人だったそうだ。その二人こそ、テネシー・ウィリアムズとウィリアム・サローヤンというから面白い。出来すぎな話である。俺は緒形拳と串田和美(演出も)が出演した『ゴドー』を観に行った事がある。物凄く面白かった。観終わった後は、放り出された気分になった。演出によって違うんだろうな。
そういえば、俺の卒論担当教授がベケットの研究者だったなぁと思ったら画面に登場。お元気そうで、岡室さん。髪の毛延びましたなぁと思っていたら話を全然聞かずに終わってしまった。すんません。この人に、何でベケットの研究を始めたのか聞いた事があるのだが、教授答えて曰く「顔がいいから」。顔が好みだからって研究して教授になるんだから、好きになるって凄い事なんだなぁ。
そのまま手塚とおる、柄本明出演の『エンドゲーム』を観たのだが、あまり頭に入ってこなかった。舞台のテレビ中継って、どうしても引いちゃうんだよな。その場の空気も一緒に見るからこその舞台。しかも内容は不条理だ。途中で「情熱大陸」の千原兄弟に変えました。すんません。うーん、面白いわ。こちらもある意味、不条理だ。千原ジュニアも不条理の天才やな。

- 作者: サミュエル・ベケット,安堂信也,高橋康也
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 1990/10
- メディア: 単行本
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