不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

バーにて

 時折通る道にある細いビルの入り口に看板が置かれていて、ふと見たらピザとパスタのメニューだった。こんなところにイタリアンがあったっけなと眺めていたらよさげだったので入った、三階まで上がって開いているドアの横に掲げられている看板を見たらBarとあった、気づかないわけだ。中に入ると店主が一人だけいて、「いらっしゃいませ」と言った。聞けば従業員は自分一人だけだから休んで協力金をもらっても大丈夫だったのだが、イタリア料理屋で修行していたのでパスタなどを出してみようかと思いついたそうだ。小海老と大葉のオイルパスタを頼んだ、カミさんはトマトのアラビアータ、どちらもうまい。十九時前に入店し、客は我々だけだった、いつの間にかラストオーダーの時間だった、バーの時間にしてはあまりに早い。食べ終わって去ってもよかったのだが、酒が出せないからとノンアルコールカクテルのメニューが豊富だったのでカミさんと一杯ずつ頼んだ。店主は言う、「この機にノンアルコールカクテルを改めて勉強しているんですけど、おもしろいですね」。ローズシロップとグレープフルーツとジンジャエールのカクテル、うまい。ゆっくり飲む。店主の後ろにずらりと並んだ酒の瓶はしばらく開けられる事がないのだろう。「ごちそうさまでした」と俺が言う。「有難うございました、また来てください」と店主が言う。「また来ます」と俺が言って階段を降りて行った、また二十時前だった。明日からはオリンピックのための連休が始まる。

ピルケース

 常に持ち歩いている頭痛薬や、いまだったら食後の咳き止めなどの薬は、アンディ・ウォーホルデザインのUHA味覚糖のど飴缶に入れている。数えていないが結構な数を揃えていて、よりどりみどりの中からこの柄を選んだのは、「薬が効いてくれ」「治ってくれ」という願いをこめるのにピッタリだろうと考えたからだ。しかし、この写真を撮るために改めて見ながら考えてみたら、これは「最後の晩餐」で「この中に裏切る者がいる」と言う場面であって、願いをこめる(薬が効く)ような状況ではないような気がしてきた。まぁそうだとしても使い続けるのだが。

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ちょっと嫌な思い出

 コーネリアスのいじめ話で思い出したのは、いじめから少しずれた記憶だ。高校時代は山の中の寮生活だったとは事あるごとに書いているが、俺は角部屋で右隣にだけ部屋があってそこに同じ一年生が住んでいた、クラスは違っていた。ある時、寮の担当をしていた先生から呼び出され、隣人から「夜な夜な壁を叩かれている、という苦情があった」と言われる。そんな覚えはない、たとえば蚊を潰そうと壁を叩いた事くらいはあるが嫌がらせになるほどではないはずだ。あるいは流している音楽のせいか、しかしそれほど大きくないし夜は基本的にヘッドホンで聞いている。そう説明したが、「とにかく嫌がっているんだよ。下手したら訴えられて裁判になるぞ」と言われて、そこで俺は怒った。「一方の言い分だけを聞いてこちらが悪いと決めつけ、あげく裁判だなんて脅すのはおかしいでしょう」、結構な剣幕だったので先生はたじろいでいた。「とにかく、気をつけてくれよ」とだけ言って話が終わった、俺はむかついていたが本当にうるさいのかもしれないとも反省をして以後かなり気をつけたが、隣人は引っ越してしまった、あとで聞いた話ではちょっと精神的に不安定になっていたらしい。先生はその年をもって学校を去った。突然マラソン大会が行われる事になり、何がかなしゅうてマラソンなんぞをせなあかんのだと生徒からは不満たらたらで、企画立案したのがその先生だったので「不満に思った生徒がお礼参りするのでは」という危険性から去っていったという噂話が流れた。まぁさすがにそんな事はないだろうが、去っていって俺は二度と会わなくてすんだなとホッとしたのを覚えている。うろ覚えだが名前を思い出したので戯れに高校名と共に検索したら出てきてしまった、覚えている顔だった、数年前のものだったが元気そうで残念、もとい、何よりだ。何だか余計な事を思い出して、余計な事を知ってしまった気がする、検索社会の弊害だ、これは完全な自己責任だが。

七月一八日、最近は病状日記みたいになっている

 あまりよく眠れなかったものの、ベッドで横になっていられるだけでもマシである、起きた時が違う。今日も暑くなる、いまだ体力は全く回復していないのでただのんびりする、そう言いつつ一番暑い昼時に出かけるのだから学んでいない。メシ食ったら、ソフトクリームを舐めつつとっとと帰った。Amazon prime videoで『トゥモロー・ウォー』を見る、「タイムパラドクスってなんですか? 知りませんねえ」と言わんばかりの強引なタイムトラベルアクションで大雑把すぎて笑えはしたが、これを劇場で金払って見たら怒ったかもな。夜は『ガンダム』三話ほど、だんだんおもしろくなってきたような、そうでもないような。呼吸器科に行ってからはだいぶ落ち着いているのだが、呼吸音が時折変なので気になる。無理はしないぞ。

七月一七日、眠れた寝れた

 ようやくベッドでちゃんと寝られた。咳のしすぎで肋骨付近を痛めたらしく仰向けだとキツいので横を向くしかなかったり、途中トイレで一度起きたりはしたが、無事にアラームがなるまで起きなかった。改めて振り返れば、ベッドで寝られず座椅子に座ってそれでもなかなか寝られない時間を過ごしただけで仕事の繁忙期をよくぞ乗り越えられたものだ。こうしてちゃんとした睡眠をとってみたら、今度は忙しさの反動の疲労を感じてそれはそれでぐったりしたけれど。とにかく何もせずに静養するつもりが、いい天気だしなと昼過ぎに外出してしまう。これが間違いで、暑さにやられて体力消耗。早めの夕飯食って帰ったら今度は頭痛。音楽番組見たり、先日見始めた『ガンダム』を見たりしてぼんやり過ごす。

七月一六日、PCR

 夜眠れないのは想定内だったが、いつもなら午前中眠られるのに咳があまりにひどくて駄目だった。実は昨日万が一を考えてPCR検査を受けており、その結果が陰性だったら呼吸器科に行こうと思っていたのだが、結果が出るのが翌日(今日)の午後、遅くて明後日になると言われており、正直そんなに待てないと思うほどひどかったので、見かねたカミさんが近くの呼吸器科がある病院に電話で相談してくれて、そこでのPCR検査は一時間で結果が出るのでそれで陰性だったら診察しましょうと言われたとの事、陽性だったら放り出されるわけなので内心ビクビクではあった。ともあれやってみるしかないとすぐに行って検査を受けて待つ事一時間、無事に陰性と判明したので(昨日の検査も陰性だった)改めて呼吸器科で診察。CTやレントゲンなども含めてわりとしっかりみてくれて、薬も前と変えたのを出してくれたのでかなり安心した。診察終わったらちょうど昼飯時、咳をしていてもコロナではないと言えるので近くの回転寿司で食べて早速薬を飲む。帰宅し、座椅子でガン寝、かなり眠りこけてしまった。今夜は久しぶりにベッドで寝られるだろうか。

七月一五日、喰っちゃ寝といえば喰っちゃ寝だけど

 夜眠れないからと早朝起きて(というかほぼ眠れずそのまま)パンとハニーミルクラテを腹に入れてから薬を飲んで、それでようやく落ち着くので少し寝て、起きて会社に行くという狂った数日間を過ごしていた。今日は夜眠れないのは同じだが、朝寝て、起きて昼飯喰って、また寝る、という仕方のない喰っちゃ寝ができた、少しは回復ゲージが増えた気がする。体調は変わらず、これは例のウイルスも疑った方がいいのではないかといろいろ動く。さてはてどうなるやら。なんであれ数日中にはっきりはさせて、もうちょいマシな対処法を見つけたいところだが。