不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

ちゃの一日

 振り返るとなかなかすごい一日だった。海の向こうアメリカは大変な事になって、何故か見当違いにぎゃーすか騒いでいる人がたくさんいるここ日本は緊急事態宣言が発令された、さらに今日は二千五百人弱だという。あっちゃこっちゃがしっちゃかめっちゃかのめっちゃくちゃになっている中で、俺は普通に会社で仕事をしていて不思議な気分になる。むろん普通に仕事ができて、普通に給料がもらえるという事がこの状況下で有難い事なのはわかっているが、やはり「いろいろと、どうなっちゃってんだろ」という思いは拭えなかった。なんというか、自分の呼吸を忘れている感覚になったので、これを書いて自分の気を取り直したい。

一月六日、休み終わり

 本日が年末年始休みの最終日、今回の休みはずっとそうだったが今日も何の予定も入れずに散歩くらいをしてあとはだらだらして過ごす。まだまだだらだらと休みたいのだが仕方がない、とりあえず今日まで休んで明日から頑張ろうという気分に全然ならない。一方でとっとと仕事が始まればいいのにとほんの一欠片くらいは思っていて、それは諸々の今後の展開が見えないので少しくらい日常生活に意識を戻してそこを基点にして考えたいからかもしれない。……いや、やっぱり休めるのなら休んでいたいか。この状況下で会社はどう対応するのやら。

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一月五日、へそ

 「緊急事態宣言発出は明後日に決定の方針」というよくわからない、いやわかるのだが、曖昧でまどろっこしいニュースを横目に出かける。仕事始めの前に何か刺激を頭に与えておきたい、そのために知らない土地へ行ってみようとなり、まぁそうはいっても近場でいいやと西永福に「日本のへそ」と言われる大宮八幡宮があるそうなので行ってみる事にした。駅前のそば屋で鍋焼きうどんをたぐってから歩いていく。三が日が終わり仕事も始まった人が多いだけに、神社内はガラガラ。初めて来た神社だが初詣。隣接している和田堀公園を散歩しながら、今度は浜田山の方から帰る。駅前のサンマルクで一休みしてから帰宅。仕事の件で上司に今年初電話、メールは何通かしていたが。夜は海鮮漬け丼だったのだが、漬け汁の酒で酔う、年々酒に弱くなる。抜けたところで入浴。日記の前に仕事メールの返信をいくつか、酔ったあとに書いて大丈夫かと思う程度に正常なので大丈夫だろう。もう仕事は始まっている、だけど実は明日もまだ休みだったりする、後々しんどくなりそうだが休みは休みだ、どうせ今週末の連休は仕事になるだろうしな。

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一月四日、緊急事態前

 十一時から首相が会見するそうなので一応見る。緊急事態宣言をするという予告みたいなものだが、緊急事態であると宣言する事を前もって言う今は緊急事態ではないのか。宣言されたところで俺の生活(というか勤務体制)はほぼ変わらないだろう、結局気をつける以外にないのだ。まだ数日休みであるがファミレスに行って、ちょこっと仕事する俺は偉いな。夕方はTと今年初の会合、年末年始のあれこれを話す。お互いにいささか死に取り憑かれており(何だかかっこいい書き方をしたが、周りで訃報が続いているという事)、とにかく気をつけていこうという結論に。夕飯は豚肉とキャベツの鍋風煮込み、うまし。あとはだらだらして終わり。

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一月三日、散歩

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 毎年恒例、鶏皮おろし雑煮を食してから近所の神社に出かける。今年も初詣は混雑している、いや結構ガラガラだという二つの情報があってどうするか悩み、個人的には初詣はしてもしなくてもどちらでもいいのだが、カミさんがしたいしお札やお守りを返したいのもあってとりあえず行ってみる事に。屋台はなく、例年の五分の一程度の人だったが、それでも拝殿前にはズラッと人が並んでいるから今日のところはやめる。お札お守りを返してから新しいのを購入するカミさんに付き合う。おみくじは五日以降に行うそうでそういう混雑回避もしているのだと知る。

 昨日は公園散歩だったので今日は街散歩。昼に喰った雑煮の酒が飛びきっていなかったらしく、ややほろ酔い状態で、そのうえいい天気で、風はほどよく冷たく、隣にはカミさんがいて、年末年始一番ご機嫌な感じになった。駅前まで出たら商店街に「TOKYO2020」の旗がまだ掲げられていた。俺たちはオリンピックが終わるまで二〇二〇年に取り残されるのだろう、エンドレス2020、もはや呪い。もうちょっと歩きたいなと隣駅まで行ってから、タリーズアイリッシュラテ。

 夕飯はカレー初めで、大晦日の余った肉でラムカレー。食後はNetflixで『仁義なき戦い 完結篇』を見る。先に笠原和夫脚本でない事を知っているのもあって四部で完成されているんだけどなと思いつつの鑑賞になってしまい、確かに蛇足といえば蛇足だが、名作の余韻としてはかなりよかった。この五部作が73〜74年の一年間で撮影されたというのがまたすごい、作品内外ともにとんでもない熱量だ。シリーズ通して見ると、松方弘樹が俳優としてMVPという事と、ブレるカメラ以上にストップモーションが決め手なのがよくわかる。年末年始にいいもん見た。

 三が日は終わりだが、もう少し休みあり。

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一月二日、初め

 毎年書いている気がするが、年越しをしてから風呂入って寝るとその時点で元旦が終わった気がしているので、元旦は二日、今日は三日の気分でいていつも一日得した気分になる。ところで、年末年始など連休はとにかく寝てしまう、毎日九時間、へたしたら十時間近く寝ている。寝ても寝ても眠れるのだから寝た方がいいとも思うが、パキッと起きたいとも思う。今日も起きたら十時近かった。箱根駅伝を眺めてから外出。セールをしているから、混雑避けつつちょっと覗いてみるかと思ったが、まぁ同じように考えている人ばかりで混んでいたので靴屋だけを見て何も買わず、それ以外ではボールペンを一本だけ買って終わり。と言いつつ、実は昨日ヨドバシカメラブルーレイディスク再生機を買ったので買い物初めは済ませてある。DVDプレイヤーは持っているのだが何とビデオデッキとくっついているデカいやつで、DVDプレイヤーも不調だからもう捨てようかとも思うのだがビデオ部分が惜しい、DVDにしていない演劇のビデオが結構あるのだ。もう見られない気もするのだがそれを確かめるためにもまだこれが必要なのだ……と言い訳。

 一旦帰宅し、食材などを冷蔵庫におさめてから再度外出。今度は近所の公園散歩、いい天気、よき散歩。夕飯は残っていた豚汁をチゲ風にしてご飯軽く一杯のみ。食後、これだけは400円レンタルだった、Amazon prime videoで『仁義なき戦い 頂上作戦』。配信初め。いやー、本作もメチャクチャおもしろい。ラストの粉雪舞うシーンは名シーンでしょう。調べてみると笠原和夫は次作では降板してるのね。このシリーズ完成度を見ればそれもわかる。完結編も見るけど。ちなみに映画初めも昨日すませた、『新感染半島 ファイナル・ステージ』。

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牛のように

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 明けております、二〇二一年。

 書く事がないと書いた翌日に書く事があるわけはなく挨拶程度にしておきますが、さしあたり思いついた今年のモットーは「清潔に、誠実に、かっこよく」です、深い意味はありませんがこれを指針にしたく考えております。

 おみくじ代わりの音楽シャッフル再生(iPhoneのミュージックアプリ内)をしたところ、OGRE YOU ASSHOLEの“ムダがないって素晴らしい”でした。野望な付け加えをすればタイトル歌詞はもちろん皮肉であって、二〇二〇年が非常時においての芸術・文化の立ち位置や価値についての再確認をした一年であった事を思うと、これからもムダと共に生きていこうと決意する次第であります。


OGRE YOU ASSHOLE - ムダがないって素晴らしい

 と同時に今年は丑年。牛で思い出したのは夏目漱石芥川龍之介久米正雄に送った手紙の一節です、下は『書簡集』が手元にないのでネットからの孫引きですが。「牛のように進む」もモットーにして図々しく進んでいく所存です。

 今年もよろしく。

 勉強をしますか。何か書きますか。君方は新時代の作家になる積でせう。僕も其積であなた方の將來を見てゐます。どうぞ偉くなつて下さい。然し無暗にあせつては不可ません。たゞ牛のやうに圖々しく進んで行くのが大事です。(八月二十一日)

 牛になる事はどうしても必要です。吾々はとかく馬になりたがるが、牛には中々なり切れないです。僕のやうな老獪なものでも、只今牛と馬とつがつて孕める事ある相の子位な程度のものです。
 あせつては不可せん。頭を惡くしては不可せん。根氣づくでお出でなさい。世の中は根氣の前に頭を下げる事を知つてゐますが、火花の前には一瞬の記憶しか與へて呉れません。うんうん死ぬ迄押すのです。それ丈です。决して相手を拵らへてそれを押しちや不可せん。相手はいくらでも後から後からと出て來ます。さうして吾々を惱ませます。牛は超然として押して行くのです。何を押すかと聞くなら申します。人間を押すのです。文士を押すのではありません。
 是から湯に入ります。(八月二十四日)