不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

またお会いしましょう

 二〇二〇年、暮れています。

 《この一年を漢字にするなら停滞》と書いたのは昨年の今日で、停まって沈んでいる自分が次の年にどうなるかなと思っていたのに社会全体が停滞して沈んでしまって、結果むしろちょっと浮いた感じになってしまうとは夢にも思いませんでした。今年一年を漢字にするなら空白だろうかとも考えましたが、別に何もなかったわけでなく、ただひたすらに何かがずっと続いていたので色は白でも空いてはいない、白に塗りたくられたようなイメージでしょうか。ならば社会も私もその塗られた白に次はどんな色をのせるのかが問題になってくるわけですが、はてさて。

 先のライブで吉井和哉が「もう話す事は何にもない」と言っていましたが、正直私も毎年書いている〆のこの挨拶で書く事があまりありません、例年以上に何かを書こうと思ってずっとこの日記を書いてきたつもりですので。それが小さな丘のようなささやかなここを読んでいる皆様に届いていればいいのですが。数日前に書いた通り吉井は「普通の野良犬に戻ります」と活動休止前の最後のMCと同じ言葉を使い、しかしすぐにおどけた口調で「またお会いしましょう」とも続けました。今年は仕事でもプライベートでも親しかった、あるいは近しい人が何人も逝ってしまい、その人たちとの最後の挨拶も「ではまた」「またね」でした。再会を祈って、しかしそうはならなかった。しばしの別れ、もしかしたら永遠かもしれない最後の挨拶が「またね」という軽いものである切なさが、私は好きです。ですから、二つの意味でもう書く事のない今年の日記もこの言葉で〆たいと思います。

 よいお年を。またお会いしましょう。

一二月三〇日、グルメ、仁義

 カミさんの実家から送られてきた武蔵野うどんの昼飯を挟んで、ドラマ『孤独のグルメ』の再放送をぼんやり見る。漫画は好きなのだがドラマはちらほらとしか見ておらず、こういう時に流しっぱなしにするのに最適。しかもちょうど肉汁うどんの回もあった。寒くなる前に外出。初夏によく散歩した方へ久し振りに足を運んだら、ゴルフの打ちっ放し場がなくなっていた。コロナの影響かと思ったが跡にはマンションができるらしいので単純に売り払っただけかも。スーパーに行って、何度目かの買い出し。夕飯はカレー納め、今年はラムカレーに出会ったのが大きかった。Netflixで『仁義なき戦い 代理戦争』を見る。『広島死闘編』はスピンオフで、こちらこそが一作目の続編だった。だんだん寒くなってきた、明日も寒い。

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一二月二九日、ラム肉調達

 隣駅のあの店に行ってみようと決めた店がもう年内休みで、じゃあこの店と行ったところも同じで、しゃあないからあの店と思ったところは同じ思いの人が多かったのか混んでいて、結局駅前にあったつけ麺屋で昼メシ。古本屋で今年の買い納めをする、店主に「よいお年を」と何気なく言ったら、ちょっと驚かれてから「よいお年を」と返ってきた。歩いて地元に戻り、サンマルクで一休みしてからまたもや買い出し、何をそんなに買うものがあるのかと我ながら思うが意外とあるのだ。何より大事なのは大晦日用のラムの薄切り肉で、これがなかなか見当たらない。なければ豚でいいかと半ば諦めながら、しかしここにはないだろうなと思ったスーパーにあったのだからわからんものだ。夕飯は豚の塩麹漬け。食後はNetflixで『仁義なき戦い 広島死闘編』、成田三樹夫がメチャクチャかっこいい。途中、自転車運動がてら本を届けに来てくれたTと年内最後の談笑。見終えてから入浴し、あがってこれを書いてから、野球を見ないのに毎年これは見る「プロ野球戦力外通告」。

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一二月二八日、今年の汚れは今年のうちに

 大掃除というほどではないが掃除の日。やり始めるまでは億劫だがやり出すと熱中する。先日買った掃除機をようやく使い初め、軽くてナイス。炬燵の布団もひっぺがしたら猫ども大慌てで逃げ出す。試しに旧掃除機を動かしてみたら三秒で停止した。お疲れ。ひと段落したら外出。郵便局や銀行をまわって金の出し入れをすませてから定食屋で昼メシ。カミさんと二人だからとちびカレーや小鉢、キャベツ大盛りなど細々付け加えていたら、持ってきた店員が全品言うのが面倒になったらしく、「なんか、全部盛りって感じです」と言ったのがよかった、豪快で豊かな響きだ。味もいいし、また来よう。公園散歩、今日は陽の光が穏やかで心地よい、まだ平日なのもあってか人はそれほどいなかった。台湾茶を飲んでから、年末年始用の食材を買い込む。昼たっぷり喰ったので昼は昨日の豚汁の余りを一杯。

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 チーズをつまみながら、The Yellow Monkey日本武道館ライブの配信を見る。アプリかブラウザでしか見られないが何とかテレビに飛ばせないかと、HDMIコードなどを買って試してみたら画面に映すのは成功したが映像のタイムラグがひどい。一、二秒ではなく十数秒も音とズレている。これではあかんとすぐさまiPadでの鑑賞に切り替え、せめて音はよくしようとBluetoothスピーカーに繋げる。そこからは問題なし。コアな楽曲をやるメカラウロコは昨年で終わりと明言しておきながら初期の曲を中心としたセットリストでガッツリとファン向き、ツンデレか。コロナ禍でのライブはドームでは緊張し、アリーナでものにし、代々木でコントロール下に置き、今回の武道館では楽しみだしていたので恐れ入る、さすが百戦錬磨。このライブをもって(本当は四月のドーム2daysで、だったが)第二期イエローモンキーの活動は一旦休止するとは前々から言っていたのでそれがいいのだが、ラストの曲の前に「普通の野良犬に戻ります」と吉井和哉が言ってそれはあの活動休止ライブでの最後のMCと同じだったものだから一瞬ドキッとしたものの、たぶんそれをさらっと言ってしまえるくらいに大丈夫になったという事なのだろうと思った。《また会えるって約束して》という歌詞を信じて。

 これで年末年始の決まっていたイベントは全て終了。あとはノープラン、適当にのんびり過ごそう。それがいまは最適で最善なのだと知っているのだし。

一二月二七日、台湾飲茶

 昨夜痛風鍋なんぞを食べたのだから翌日はおとなしいものだけを食べるべきだとはわかっているのだが、前々からの約束で姉一家と台湾飲茶を喰いに行く、食べ放題である。感染状況も含めて延期か、せめてあとからの合流も考えたのだが今回はすーちゃんを偲ぶ会でもあるからと参加。精進落としというには肉も脂も満載だが喰う事が大好きだったすーちゃんの事だから「おおいに喰え」と言うだろうとあれやこれやと喰う、いつの間にやら胃の心配はどこへやらと言わんばかりに喰らった。食後にまたもや本屋で甥っ子に本を買わされ、茶を飲んでから解散。地元に戻り、カルディで年末年始用のノンアルコールスパークリングを買う。さすがに喰いつかれたので夕飯は肉少なめの豚汁のみ。カミさんのライフワークの一つである超常現象のテレビ番組がやっていたのでそれをつけ、傍で本を読んでいたが耳に入ってくる番組の話に思わず突っ込んだりしてしまい遅々と進まず。

一二月二六日、痛風鍋

 午前中に掃除をするつもりが寝てしまって、起きたのは十時半でもう諦める。少し仕事をするカミさんの邪魔をしないように過ごし、昼は残ったポトフを温め直す。午後はNetflixで『Mank/マンク』を見る。『市民ケーン』を見直してから見るべきだったかなと思うも、そこそこおもしろかった。夜は今年唯一の忘年会、しかもあんきも白子がこんもり盛られた痛風鍋、いいのか食べて、いいだろ一食くらい。うまい、うまいのだが食べ終わったらえらく疲れてしまった。

納めた

 本日が仕事納めであった。といっても忘年会はないし、大掃除も特にしていないし、俺含めて部署の人たちはみなまだやらねばならない事があったので慌ただしく作業していたので納めた気にはならないのだが。昼から会議室で忘年会代わりの納会が行われていたので他の部署ではふわふわと浮き足立っている人も多く、俺もちらっとそこには参加したけど酒しかなかったし、場に馴染めなかったので早々に引き揚げた、場に馴染む事ってあるのだろうか。最後の打ち合わせをすませ、各方面にメールをして、あとは何かするにしても家でやりましょうと決めて帰る。今年は社内体制が激変、来年その影響が出そうなのだがどうなるやら、と俺が考えてもどうしようもない、帰属意識は全然ないし。結局今年も相も変わらずどうやって生きていこうかなぁ、遠くへ行きたいなといった事ばかりを考えていた。