不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

最近読んだ漫画

 世間、人様からの評価がどうなのかはともかくとして、映画であれ音楽であれ小説であれ、これは自分を「更新」する、あるいはこの作品を知る前と知った後では俺は違った場所にいて見る風景が変わっていた、そんな作品に出会う事が稀にあるのだが、先日読んだヤマシタトモコ『違国日記』(祥伝社はそういう漫画だった。まだ四巻、これからどうなるのかはわからない、描写や展開次第ではこの感じが雲散霧消する可能性もあるのだが、いまは、とにかく何度も読み返してしまっているくらい、好きというよりも、何かを得ようとしている。違う事、孤独を描いている。これに出てくる笠町くんという人物と俺が、外見ではなく雰囲気が似ていると、姉とカミさんから言われた。自分ではわからんが、そうなのかなぁ。

 少し前に出ていたのだが、林田球ドロヘドロ』(小学館が完結した、全23巻、最後の方の巻がやたら厚くなっているのは予定より増えたからか。出た時に読んだのだが、この漫画は混沌としているので新刊のたびに前の話を読まねばよくわからず、こと最終巻にいたっては最初から読み直さねばわからんと思い、既刊本の発掘に手間取ったからである。連休でようやく全部読み押せたわけだが、大風呂敷を広げて、混沌の中にぶち込んだ、メチャクチャな話のように思っていたが、一気に読むと意外と一本筋があるストレートな話なのだとわかった。血みどろ、シリアスなのに、根底にはユーモアがたっぷり流れているとは思っていたけれど、クライマックスで出てきた魔法があんなんだから、大笑いである、いい漫画だった。彼らの日常漫画を延々と描いて欲しいくらいだ。もう始まっている次作も期待。

ドロヘドロ (23) (BIC COMICS IKKI)

ドロヘドロ (23) (BIC COMICS IKKI)