いい天気だ、寒すぎない、こういう日は散歩に限る、できれば知らない街がいい。そう思って来たのが豪徳寺駅だった。何故ここなのかと聞かれれば、何となく思いついた以外になく、思いついた後でそのまま豪徳寺という寺に招き猫を奉納するところがあるとかないとか、確か『食の軍師』にあった事を思い出して、ぶらぶら歩いていく。中学のクラスメイト、いや部活の仲間だったか、がこの辺に住んでいたはずだが、もう名前は忘れたし顔も思い出せない、住んでいた事だけ思い出す、俺の中では彼は地名と共に生きている、そこにだけいる。
世田谷線沿いに歩いて着いた豪徳寺は思いのほか立派な寺で、その小さな一角に招き猫の招福殿はあった。確かに招き猫で有名なのだが、それをものすごく推しているわけではなく、ただ、ある、という佇まいが上品でいい。参拝客はそれほど多くはなく、しかし途切れない、外国人も結構いる。順番はないのだが、お寺の雰囲気が混乱させず、みんな丁寧で静か。譲りあいながら写真撮影。
受付に行って、お札おみくじを（カミさんが）買い（俺は買わない）、招き猫も買い、豆猫を一匹納める。うちの猫どもを守ってやってくだされ。
近くのタコ焼き屋で一舟買って少しエネルギーを入れて、今度は梅が丘の方まで歩く。電車に乗っていて駅感覚が短かったので歩けるだろうと思ったら、やっぱり近かった。途中、見つけた古本屋にも寄る。駅前にキッチン南海があったので、そこで遅めの昼飯で唐揚げカレー。下北沢駅で降りたら、天狗祭りの期間でいろいろやっていた。招き猫と天狗と今日一日は何やらめでたいものに出会っている、悪くない、否、とてもいい気分だ。珈琲豆を買い、焙煎している間ひと休み。豆を受け取り、またもや古本屋を覗いてから吉祥寺へ。
食材を買って、帰宅。よく歩いた。夕飯は軽めにホットサンド（ハム、チーズ、ピザソース）とコーンスープ。食後に買いたての豆でカフェラテ、ケーキ。少し転寝、読書。風呂に入り、日記を書いて、本を読んで、寝る。
