不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

「月光」は「がつこう」と読む

 昼休み、ふらふらとある古本屋に入って文庫本の棚を見ていたら、講談社文芸文庫小島信夫『月光・暮坂』が4200円で売られていた、文庫でこの値段はずいぶん高い、しかも貴重な絶版本の類ならともかくこの文庫はまだ店頭に並んでいたはずだ。店を出たその足で東京堂書店に行って確かめたらやはり置いてあった。奥付によると2006年に初版が出て、これは2018年1月に刷られた第三版、文庫創刊30周年の「私の1冊」フェアで保坂和志が選んだ一冊という帯がついている。昨年まで品切れだったがフェアのために刷ったもので、古本屋はそれを知らず、知っていても価格改定を忘れていた、という事だろうか。そういや今年の中盤に小島信夫の長編を続けて読んだ事を思い出して、『残光』『美濃』『菅野満子の手紙』でさらに『寓話』そして『別れる理由』を読むつもりがちょっと飽きてしまい離れていた、だからこの文庫もこれも縁だとつい東京堂で買ってしまった、1600円(税抜)、4200円よりは安いけれど、講談社文芸文庫ちくま学芸文庫は文庫価格と思わない方がいい。この時期は年末年始の楽しみにする、という言い訳をいつもしている。

月光・暮坂 小島信夫後期作品集 (講談社文芸文庫)

月光・暮坂 小島信夫後期作品集 (講談社文芸文庫)