不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

二〇一七年極私的良作映画十選

 見た順です。夏くらいから見る本数がグッと減ってしまい(結構書いていた感想も減ってしまった)*1。何となく数えていないけど、おそらく劇場で見た本数はここ数年では一番少ないと思う。しかし、Netflixを始めたので「映画を見た」本数はこれまでで一番多いのではなかろうか。とにもかくにもNetflixスタートは、映画鑑賞を趣味とするものにとっては革命的であった。見逃した作品、気になっていた作品、劇場公開されないような作品、そしてオリジナルコンテンツ、どれもこれもあって視野が広がった気がした。特にドキュメンタリーをたくさん見た。
 ただ一方で、Spotifyの項でも書いたけれど、あまりにも作品数が多く、なおかつ自由で便利なものだから持て余し気味にもなってしまい、実際十一、十二月はNetflixでもあまり見なくなってしまった。本数が減ったのは劇場のせいでもNetflixせいでもなく、ひとえに私の受け取り方や気持ちの問題である。
 私は劇場至上主義ではない。むしろPCだろうがタブレットだろうが、はたまた小さなスマートフォンであろうが、どれを使い、どこで見るかが変わる事は、それは一つの「映画を見る」体験だと思う。同時に、だからこそ「劇場まで行き、知らない人たちと暗闇で映画を見る」体験とは決定的に違うとも思っている。この二つの違いは、何だろう。「映画を見る」という体験はどういうものだろう……などという事までは考えてはいないのだが、これだけ多くの作品にどう対応して、どう受け止めて、そしてどう血肉にしてアウトプットしていけばいいのか、持て余してうろたえてしまったわけである。そんな事を考えずにひたすら映画を楽しみ、溺れていけばいいのかもしれないが、なかなかそうはいかず、とりあえず一旦立ち止まった次第。
 もっとアウトプットを増やそう、もっと気楽で無責任でいい、そしてもっと独立独歩で行こう――再三再四同じような事を書き連ねている気がするんだけど、結局はそこに行き着く。ただ、もうちょっとだけ深く行くようにしたい。来年こそは。珍しくちょっとした決意みたいなものを胸にした。まぁたいした話ではないんだけど。
 ああだこうだうだうだうだと書きましたが、映画を存分に楽しんだのは確かです。引き続き、楽しんでいきたい、楽しもうと思います。
 最後に、今年見た中で最もアガッたシーンを置いておきます。ベスト10には入れなかったけれど、「これは俺の作品だよ」という監督の宣言のような映画で嬉しかった。言う通り、グッと来る映画でしたよ、塩見さん。

*1:ダンケルク』『ローガン・ラッキー』『希望のかなた』以外の感想は書いているので、枠内のタイトルをクリックしたら飛べます