不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

皆はこう呼んだ、鋼鉄ジーグ/何かあったらこの名を呼べよ


 廃車置場で錆びきったはみ出し者の伝説の始まり。日本産アニメのリアレンジとしておもしろいし、なかなかうまいけど、何だかもったりした映像だなぁ、まぁこんなもんかなと見ていたが、ラスト20分からそのもったりをガソリンにした、決して洗練されていない覚醒と戦いに存外燃えて(いささか展開が早急だとは思うけど)、挙句ラスト一分で全てを持っていった。愛を忘れて疲れ切った男と、愛を求めて壊れかけている女が、血で血を洗う無秩序な現実で、ジーグという嘘だけを頼りに歩いていく。あれほど痛々しいヒーローとヒロインのセックスシーンもそうそうあるまい。アンチヒーローからヒーローへ、あの瞬間を経てからの「ジーグになれる、おまえはジーグ」という歌詞が全てである。私達には物語が必要だ。
 どうでもいい余談だが、筋力アップしたのに走る速度は変わらないんだなとか、セックスの最中の力加減はどうなんだとかは、本作でも『パワーレンジャー』でも生活面で対応できているのか、なんて事は気にしちゃいけないんだろうな。