不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

読書

キッチンの悪魔/悪魔が来たりて美味作る

表紙写真がかっこよかったので手に取ってレジに持っていったら思いのほか高くて、何故にと確認したらみすず書房から出ていたマルコ・ピエール・ホワイト『キッチンの悪魔 三つ星を越えた男』(みすず書房、千葉敏生訳)。イギリス人初にして最年少三つ星獲得…

そのうちやってみたい

最近、同人誌、リトルプレス、ZINEをよく買っている、ネットで古本屋でその辺で見かけておもしろそうだと思ったらさっと買ってしまう、思ったより高値なのもあるし、内容はむろん玉石混淆ではあるけれど、ネットで有料記事にするのではなくわざわざ紙にする…

また再読

西尾維新の戯言シリーズを再読した勢いで、森博嗣の『すべてがFになる』も再読、これ一冊は妙に好きで、売っては買い直すを何度か繰り返して、今回はまだ本棚にあったのでそれを取り出した。いつもはこれだけで満足するのだが、今回は続きも読みたくなって、…

再読

キッカケは忘れたが久し振りに西尾維新の戯言シリーズを読んだ、全六タイトルで九冊、文庫も出ているが持っているのはノベルス版。西尾維新の他の小説はピンと来ずに売ってしまったし、最近のは全く読んでいないがこのシリーズだけは好きで持っている。わり…

そこに愛はあるのかい

河出書房新社から『ピーナッツ全集』が出ると聞いて喜んで、もちろん買うつもりだったのだが、発売が開始された今でも予約も購入もしていない。理由は、まず置く場所がない、なんとかしたい。そして角川書店から出たデイリー版サンデー版は全巻持っていて、…

星と春と修羅

暇つぶしにTumblrを眺めていたら、宮沢賢治『よだかの星』の一節が流れてきた、俺はこれまで読んだ事がなかったのだが、とても美しい一文だった。 そうです。これがよだかの最後でした。もうよだかは落ちているのか、のぼっているのか、さかさになっているの…

吾妻ひでおと日記のこと

先々月に大岡昇平の『成城だより』が中公文庫からひと月一冊全三巻で復刊して、講談社文芸文庫版は持っているけれどつい買ってしまい再読していたら、日記に金井美恵子が登場したので『目白雑録』シリーズも併せて再読し始めた。どちらも読み終えて、次に何…

『ザ・シェフ』を読んだ

『ザ・シェフ』が電子書籍全41巻のうち30巻まで一冊11円だったのでその30巻まで買って読んだ。この漫画はいつの間にか存在も内容も知っていて、近所の蕎麦屋か床屋か喫茶店かでたぶん読んだのだろう、そういう漫画としては『こち亀』『ゴルゴ13』と肩を並べ…

つけびの村/煙見て噂ついばむ小鳥ども

noteでの連載というより存在を知った時にはすでに書籍化が決まっていたので(だいぶ遅い)、改めて本になってから手に取った高橋ユキ『つけびの村 噂が5人を殺したのか? 』(晶文社)、いざ読み出したら一気読み、メチャおもしろい。「つけびして 煙り喜ぶ …

専門知は、もういらないのか/いるよね

トム・ニコルズ『専門知は、もういらないのか』(みすず書房、高里ひろ訳)。これはメチャクチャおもしろい。ブログから生まれた本なのもあって読みやすく、左右硬軟の話題を織り交ぜながら、無知や、正当でも誤用でもない新たな反知性を、身も蓋も容赦もな…

ブックカバー

本を買った時は文庫でも四六判でも新書でも必ず書店の紙のブックカバーをつけてもらう、ハヤカワポケミスはつけないかも。なんの気なしに今日読み返した『今日の早川さん』2巻で、電車で早川さんの隣に座った人が書店カバーのまま本を読んでいて「身だしなみ…

ファンタジーランドの人間たち

カート・アンダーセン『ファンタジーランド 狂気の幻想のアメリカ500年史』(東洋経済新報社、山田美明・山田文訳、上下巻)。「ホモ・サピエンスは『想像上の秩序』、すなわち嘘とそれを信頼する事で文明を築いてきた」(『サピエンス全史』)わけだが、さ…

41度

給湯器によると我が家の風呂の温度は、夏は41度、冬は42度で、だからいまは41度なのだが、41度と見るたびに『南国少年パプワくん』の「ぬるい! こんなぬるい風呂に入れるかー!! 風呂の温度は41度!! そんな事もわからんのかああ!!」というセリフを思い…

最近読んだ小説二冊

岸政彦『図書室』(新潮社)を読んだ、表題作は悪くないがイマイチ乗れなかった、中年の女性が今といろいろな自身の昔を語るのだが中心になっているのが小学生の頃の図書室での話で、俺が子供の話が苦手だから乗れなかったのかもしれない。といっても今作は…

付箋

カミさんから上下巻の本を借りたら、ビッシリと付箋がつけられていた。俺は付箋をつけるのが苦手で、苦手というのも変なのだがほとんど使わない。ではどこに何が書かれていたかを覚えているのかといえばそんな事はなく、何となくの場所だけだ、だから後で感…

極夜行/闇よりもなお暗いとこ

一日中太陽が昇っている白夜があるのだからその反対があってもおかしくないのにこれまで考えた事もなかった、一日中太陽が沈み夜の中にい続ける、そんな時間を極夜という。それを知ったのは本書、角幡唯介『極夜行』(文藝春秋)に触れた時だった。評判がよ…

アメリカ紀行/海を隔てたあっちとこっち

千葉雅也『アメリカ紀行』(文藝春秋)。タイトルまま四ヶ月間のアメリカ滞在を記した内容で、アメリカを見るよりも、アメリカにいる日本の自分を見ているような紀行文、いやそれよりも、哲学あるいは保坂和志的な意味の小説のように読んだ、自分で書いてお…

積んで読んで

積ん読という言葉を最近あまり見かけない、あれもまた流行り言葉の一つだったのだろうか、使っていた時期はあるけれどあまり好きにはなれなかった、積んでいるが読んでいないやんけと思うから。積んであるだけでもどの本をどう積んでいるかで自分の興味の流…

江藤淳は甦える/別に甦らなくてもいい

実はあまり読む気はなかったのだがひょんな事から(どんな事だ)本書が手元に来たので、平山周吉『江藤淳は甦える』(新潮社)を読んでみた。分厚い本書を黙々と読み進めていく中で、何度か「そんなに興味のない人の評伝を読んでどうするんだ」という思いが…

最近読んだ漫画

世間、人様からの評価がどうなのかはともかくとして、映画であれ音楽であれ小説であれ、これは自分を「更新」する、あるいはこの作品を知る前と知った後では俺は違った場所にいて見る風景が変わっていた、そんな作品に出会う事が稀にあるのだが、先日読んだ…

メジャーな古典

本を売った、冊数はわからないが段ボール一箱半くらい。ちょっとスイッチが入り、まぁいいやとこれまでとっておいた本をいくつか手放す事にした。どの本を処分するか選ぶ際にいつも悩むのは、メジャーな古典である、夏目漱石、芥川龍之介、志賀直哉……そうい…

「プロレス」という文化/を語る狂ったやつら

岡村正史『「プロレス」という文化 興行・メディア・社会現象』(ミネルヴァ書房)。バレンタインデーでカミさんから「はい、チョコ」と言って渡されたのが本書であった、本物のチョコも別にもらった、ホワイトデーは何もあげていない、近々お茶をご馳走する…

食べたくなる本/おいしくなければ意味がない

三浦哲哉『食べたくなる本』(みすず書房)。著者は映画評論家で、『サスペンス映画史』や『オーバー・ザ・シネマ 映画「超」討議』を読んだ事があっておもしろかったが、本書は正直その何倍もおもしろいのではと思ってしまった。ご本人がどう思うかは知らな…

言葉

古本屋の一角にリトルプレスのコーナーがあり、何気なく見て、タイトルに惹かれた一冊を買った。それがくどうれいん『わたしを空腹にしないほうがいい 改訂版』である。俺も子供の頃、腹が減ると機嫌が悪くなった、さすがにいまはそうではない、と自分では思…

夜の虹を架ける/聞こえてくるあの足踏み

市瀬英俊『夜の虹を架ける 四天王プロレス「リングに捧げた過剰な純真」』(双葉社)。何故、表紙のイラストが三沢をジャーマン・スープレックスで投げる川田なのだろうと、まず思った。おかしいと言いたいのではなく、他のレスラーでもなく、四人並べるので…

日記の虚実/日記の期待

紀田順一郎『日記の虚実』(ちくま文庫)。日記は書くのも読むのも好きなのだが、日記論というのはあまり読んだ事なく、先日古本屋で見つけた本書を何気なく読んでみたらこれがすこぶるおもしろい。葛原匂当という盲目の箏曲の名人から話が始まるので一瞬、…

芥川賞の小説を読んだ

どの本も「芥川賞受賞(候補)作だから」読んだのではなく、単純に読みたかった本、作家だったので読んだだけです。発表と発売の関係でこの時期に重なった。 上田岳弘『ニムロッド』(講談社)。時空間を飛び越えるこれまでの作品とは違って地に足ついている…

そして、ああでもなくこうでもなく

70歳過ぎの人が亡くなった時、その訃報に驚きこそすれ、やたらショックを受けたり寂しくなったりする事はほとんどない、その歳なのだ、「お疲れ様でした」と言って見送るようにしている、しているのに、今日70歳の大病を患ったガンの人が亡くなったのを知っ…

年始に読んだ故人についての本

木村俊介『変人 埴谷雄高の肖像』(文春文庫)。今年の読み初めは年末だったか年始だったか古本屋でひょいと買ったこれを、これまたひょいと何となく。埴谷雄高に特段の思い入れはなく、『死霊』はわけわからんと一巻で放り出し、『不合理故に吾信ず』はちら…

「月光」は「がつこう」と読む

昼休み、ふらふらとある古本屋に入って文庫本の棚を見ていたら、講談社文芸文庫の小島信夫『月光・暮坂』が4200円で売られていた、文庫でこの値段はずいぶん高い、しかも貴重な絶版本の類ならともかくこの文庫はまだ店頭に並んでいたはずだ。店を出たその足…