不発連合式バックドロップ

日記と余談です。

プロレス

思え、曙光の時を

曙はK-1ではなく最初からプロレス、あるいはPRIDEなど総合格闘技に行っていたらよかったのかもしれないなと思うけれど、あれは谷川氏のオファーがあってのものだからifを言っても仕方ない。格闘家としてはともかくプロレスラーとしては結構いいレスラーだっ…

十五年後の「毒されたデルフィンたちよ」

立憲民主党の塩村あやか議員の「プロレス」ツイート(ポスト)を発端に、Twitterはじめネットで業界・ファンが騒がしかったここ数日。該当ツイートの詳細内容や是非はここでは置く。ただ、レスラーやファン、関係者が個別に考えや感想を書く事は構わないし、…

さらば、有難う、天才

永遠の恋人三沢光晴が亡くなってしまった緑(いまは青)のマットを最後の戦場に選び、現役最高峰の内藤哲也を介錯役に選んだかと思いきやつゆ払いにもしてしまって、盟友蝶野正洋と短いながらも一騎打ちを決行して、それを泣いていいのか笑顔になっていいの…

燃え尽きた闘魂

プロレスが好きで応援していた三遊亭円楽が亡くなった翌日、アントニオ猪木が逝ってしまった。享年七十九、いま思えば六十一歳で亡くなったジャイアント馬場は早かった。重い糖尿病をはじめ病を患っている事は知っていたし、あのNHKで放映されたドキュメンタ…

「仕事だ」

わりと心に棚を作れるタイプなので、不本意だったり理解し難い仕事でも淡々と対応できる方ではあるのだが、本当に「なんだこりゃ」と思ってしまうような仕事を続けて振られてしまい、力が抜けていっている。それでも私の心の中のラッシャー木村に「仕事だ………

味のプロレス/俺たちのプロレス

アカツキ『味のプロレス オールスター編2』(新紀元社)が出ていたので買う。『闘魂編』『王道編』『オールスター編』と続いた名前の第四弾はあるのかと思っていたら、『オールスター編2』で潔い。すっかりプロレスから遠く離れてしまったが(遠くからは眺め…

野人の引退

新日本プロレスの東京ドーム2daysは断片的にしか見ておらず、中でも一番見たかったのは獣神サンダーライガーの引退試合というのもどうかと思うし、そのライガーだって個人的には鈴木みのる戦が本当の意味での引退試合であってそれ以降のはセレモニーのように…

さよならパワーホール

長州力が本日引退したという、二度目、レスラーに引退なしとは言うけれど、年齢を考えればさすがにカムバックはあるまい。正直、俺にとっての長州は最初の引退の時から復帰したあの大仁田劇場クライマックスである横浜アリーナがピークであって、その後にWJ…

緑の日十年

三沢光晴逝去から十年。三沢への思いは再三書いてきた、たとえば下の三つ、上記二つはいまではこうは書かないな、若書きというか、だからもう繰り返さない。 三沢光晴とレスラーの事 - 不発連合式バックドロップ 夢の時間 - 不発連合式バックドロップ あの日…

「プロレス」という文化/を語る狂ったやつら

岡村正史『「プロレス」という文化 興行・メディア・社会現象』(ミネルヴァ書房)。バレンタインデーでカミさんから「はい、チョコ」と言って渡されたのが本書であった、本物のチョコも別にもらった、ホワイトデーは何もあげていない、近々お茶をご馳走する…

山田の引退

飯塚高史は結局、引退試合でもウガーウガーと暴れ回って終わったそうで、引退試合の前でも後でも自身の引退に一言もコメントを出さずに去っていったレスラーは初めてではなかろうか、物語が続きそうな気配はあるものの、お疲れさま。 飯塚の引退からそう間も…

夜の虹を架ける/聞こえてくるあの足踏み

市瀬英俊『夜の虹を架ける 四天王プロレス「リングに捧げた過剰な純真」』(双葉社)。何故、表紙のイラストが三沢をジャーマン・スープレックスで投げる川田なのだろうと、まず思った。おかしいと言いたいのではなく、他のレスラーでもなく、四人並べるので…

ある引退表明

吉田沙保里が引退を表明した。俺は知らないがJリーガーの誰かも引退するそうだ。引退ではないが球界では誰かがどっかに行くとかで話題になっていた。西野カナの活動休止はまぁどうでもいい。そんな話がいくつか流れる中で俺を掴んで離さなかったのは、もちろ…

UではなくSの物語

柳澤健『1984年のUWF』(文藝春秋)。連載時に読まず単行本で一気読み。予想通り期待以上のおもしろさだった。いまだまとわりつくU幻想、さらに言えば前田日明の格闘王神話を引っぺがされる、または打ち砕かれる思いになるだろう。それは悪い気分ではない。…

ビンスの「キミたち」への言葉

ドナルド・トランプが大統領選挙の戦術の一環として、人心掌握や先導の仕方をビンス・マクマホンと殴り合ったWWEでのリングで学んだ、という話は町山智浩氏はじめ、すでに結構話されている事だと思う。俺もそれを思い出して、昨年8月にTwitterで《ドナルド・…

「プロレスを考える」が繋がっていく

鈴木みのる『プロレスで〈自由〉になる方法』(毎日新聞社)。発売当初、気になっていた程度だったがtwitterのフォロワーの人が激賞されていたので読んでみたのだが、これね、めっちゃおもしろいですよ。ビックリした。自伝の類は好きではないのだが、堀江ガ…

ど真ん中だったのか?

田崎健太『真説・長州力 1951-2015』(集英社インターナショナル)。たいへんおもしろかった。俺は闘魂三銃士(と四天王)を一番見ていた世代で、長州力はすでにベテランだった。だから、彼のやってきた事や凄さは聞いていても、あまり実感はなかった。その…

あの日の事

長谷川晶一『2009年6月13日からの三沢光晴』(主婦の友社)。あの日の一日を克明に書き込んだドキュメント。新事実や、レスラーなど関係者の思いのこもった証言は読みごたえあり。死因がエゲツないものだったり、三沢に僧侶の「先生」や在日二世の「友人」が…

わたしとファイヤープロレスリング

「ファイプロ」生みの親の早すぎる死。彼から受けた恩は大き過ぎる 俺が《熱く、深く語れる》かはわかりませんが、俺なりの「わたしとファイヤープロレスリング」を書いてみたい。 通称「ファイプロ」と呼ばれるこのプロレスゲームに触れたのはかなり遅く、…

パワーウォリアーの引退

佐々木健介が現役引退を表明した。早いと思っていたけど、もう47歳、おかしくない年齢ではある。 と書いたところで、筆が止まってしまった。あまり思い入れがないのだ、健介には。だけど、別に嫌いではなかった。むしろ好きな方だった。特に新日時代の90年代…

年始派ドーム日記

昼過ぎに某所を離れ、一旦帰宅。猫の相手や荷物の整理をしてから、水道橋へ。新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 8」in 東京ドームである。昨年に引き続きの観戦。何でも今年は大入り満員だとか(35000人。昨年は29000人)。90年代の入りに比べれば少ないけれ…

あるレスラーの引退

小橋建太の事をいつ好きになったのかは、よく覚えていない。 奇しくも小橋のレスラー人生25年は、ほぼ俺のプロレス観戦人生と重なっている。デビュー当時はガキだったし、意識していなかったので覚えていないが、俺がプロレスを見ているリアルタイムで小橋も…

真夏の祭典

ものすごい久し振りに放送時間にリアルタイムで見た、新日本プロレスG1クライマックス最終日。最近の新日は充実してきたなぁと思っていたが、それがよくわかる大会でした。まぁさすがに一番夢中になっていた時のような熱を持つ事はできなかったし、いい試合…

世界を握りしめ、栄光をつかめ

柳澤健『日本レスリングの物語』(岩波書店)を読んだ。372Pとたっぷりあるが、一気呵成に読んでしまった。内容そのままの無骨なタイトルだが、読み終えてみるととこれしかないと思う。レスリングとは、オリンピックとは、スポーツとは何かに迫る力作。 日本…

鬼の一生

増田俊也『木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか』(新潮社)を読んだ。全700ページと分厚い超大作ながら、夢中でぐいぐいと読み進み、どっぷりと昭和柔道史および戦後の魑魅魍魎の世界に浸る事ができた。右を向いても左を向いても、少なくとも聞いた事の…

「三沢さんを知らないのは、緑色を知らないのと同じ」 三沢光晴の三回忌。あの「リングで倒れた」という一報を聞いた時の狼狽と、「亡くなった」と知った時の衝撃は、今でも鮮明に思い出せる。たぶん、有名人の死でこれほど衝撃を受け、涙する事は今後ないだ…

結局「猪木劇場」という事です

IGFプロレスリング「GENOME15」の観戦へ行った。おそらく10年ぶりくらいのプロレス観戦がIGFになるとは思わなかった。今回はチケットをいただいたので。印象に残った事をつらつら書きます。*1 まず初代タイガーマスク、ウルティモ・ドラゴンvsザ・グレート・…

祭典の哀愁

某所でレッスルマニア27の何試合かを見た。興奮しちゃって、勢いで簡単に感想を書きます。ネタバレは回避してますが、一応気をつけてください。 WWE(旧WWF)の凄いところは、この世界最大のプロレスイベントであるレッスルマニア(今回は70000人入ったそう…

Finally...

今朝知った、あるプロレスラーの復帰にニヤニヤがとまらない。以前、その人へのラブレターに近い日記を書いた事があったけれど、届くとは思わなかった。思い出を美化していると言われるかもしれないが、やっぱりめちゃくちゃうれしい。とりあえず、しばらく…

虎になれ!

現在、全国都道府県で起こっている「伊達直人」現象。これについて、寄付の内容や仕方、孤児院の存在、善意のあり方などをどうのこうのと議論するのは、一向にかまわん。むしろ、大いにやりあってくれたまへ、と無意味に上から目線で思う。 しかしだ。それに…